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YAPC::Kyoto 2023にオンラインで参加しました

"ブログを書くまでがYAPC"ということで、オンライン配信で参加した感想をブログに書きます。 YAPC::Kyoto 2023の発表者・参加者・スタッフの皆さまお疲れ様でした。

配信を見始めたのが12時過ぎからだったので午前中の発表は見れなかったのですが、見た発表の中でいくつか感想を書きたいと思います。

印象に残った発表

マルチテナントの実現における技術選定の審美眼とDB設計 ~ PostgreSQLを添えて ~

タイトルに「PostgreSQLを添えて」とありましたが、メインディッシュがPostgreSQLの発表だったなという感想です。

"Row Level Security"があるという存在は知っていましたが、ポスグレをほとんど使った事がなかったのでへぇ~の連続でした。 確かに、行単位での権限があると他のテナントのデータは参照できなくなるので、マルチテナントとは相性が良さそうだ。

冒頭に、テナントごとにデータベースを分けてしまうのは保守性が悪くなるからアンチパターンだと話した上で、質疑応答の時に「ユーザーのロールに合わせて、ユーザーごとにRLSを付けるのはどうか?」という質問に対してもテナントごとにデータベースを分けるのと同様に保守性が悪くなってしまうと回答していたのも、なるほどなと思い勉強になりました。

発表資料がなかったのですが、こちらの記事を読むと概要はつかめると思います。 soudai.hatenablog.com

ソフトウェアエンジニアリングサバイバルガイド: 廃墟を直す、廃墟を出る、廃墟を壊す、あるいは廃墟に暮らす、廃墟に死す

「人をアサインせずに廃墟を直せると思っている経営者がいる」というような事を話していたのが印象的でした(エンジニア出身じゃない経営だと良くある話かなと思いました) 最低でも1人アサインする(出来れば複数人)と話していましたが、どうしても1人だと知らず知らずのうちに廃墟になってしまう事があると思うので、廃墟を直す・作らない為には複数人のアサインはマストかなと個人的には思っています。

もう一つ「廃墟に困ったらコードを読みまくる」という話も共感できました。 廃墟のドキュメントって信用できない(ドキュメントもメンテされてなくて情報が古い)ことがあるので、急がば回れの理論でコードを読みまくるのが一番の近道だったりします。

docs.google.com

prototype大全

実はPerlを書き始めて3ヶ月ちょっとなのですがprototypeは曖昧にしていた部分も多かったので、今回の中で一番勉強になった発表でした。 try ~ catch の実装が紹介されていたのですが、スライド1枚にまとまるくらい単純なコードだったのが面白かったです。

どこでも動くWebフレームワークをつくる

JavaScriptのWebフレームワークといえばExpressと思っていた勢でHonoを存じ上げなかったのですが、発表を聞いて使ってみたくなりました。 軽量フレームワークなのでEdge Functionとは相性がよさそうです(元々、それように作られているので当たり前ですが...)

オンライン参加の利点

元々チケットを買っていなかったので最初から配信で見るつもりだったのですが、現地参加ではなく配信で参加する最大の利点は同時に複数トラックの発表を同時に視聴できることだと思います。

さすがに、全部の発表で音声を聞くことはできないので、メインで見たい発表以外はミュートしていましたが、気になる部分があればすぐに発表を聞くことができます。 ということで、思わず気になった発表を2つほど。

DNS権威サービスへのDDoSとハイパフォーマンスなベンチマーカ

毎分900万クエリという文字と、平常時がほぼ無に感じるグラフに目を奪われてしまいました。普通のWebアプリケーションではWAFなど前段で対応すべきトラフィックだと思いますが、あとからスライドを見返してオープンリゾルバからの問い合わせという記述を見て、権威DNSという性質的に前段で対応できないという難しさを知りました。 GoogleやCloudfrCloudflareのPublic DNSはこれ以上のトラフィックを受けている可能性があると考えると末恐ろしいです。

4PB(ペタバイト)を超えるオブジェクトストレージをハードウェアからアプリケーションにかけて運用するノウハウ

こちらも普段目にしないペタバイトという単位に目を奪われました。1年くらい前に我が家で導入した6TBのHDD(当時、コスパが一番良い容量)は、データセンターではもう退役を迎える世代なんだなと。 クラウドを利用してバックにある物理サーバを気にすることがほぼないことのありがたさを感じます。割高でも運用コストを考えるとやっぱりクラウドは安いなと考えさせられます)。

全体を通した感想

YAPC当日は朝起きたら肩から首に掛けて痛く、配信を見始めたのが12時頃からになってしまったのが失敗です。(前日、ソファで仮眠のつもりがガチ寝したのがマズかった) 午前中の発表でも、資料を見て気になる発表はいくつかあったのでアーカイブが配信された際には、改めてブログを書ければと。

オンラインの利点もありますが、配信を見ていても会場の一体感にうらやましさを感じられたので、次回があれば現地参加したいなと思いました。